ねえねえ聞いて
「ねえねえ聞いて!」
「ん、なに?」
「お話考えたの!」
「へえ」
「あるところに、男女の双子の姉弟がいました」
「え、早速?」
「いつまでもふたりの世界で生きたい姉の思いとは裏腹に、弟はどんどん外の世界に根を伸ばしてゆきます」
「ほう」
「それでね、えーとんーと」
「……大丈夫かよ」
「あ、えと、そう! あのね、姉は弟が好きだったんだそうだ! 姉弟としてじゃなくてね! ちょっと順番ミスったけど、これ覚えといて!」
「……」
「とうとう弟にね。……って、『とうとうおとうと』ってなんかおもしろくない? じゃなくて、それでーえーっと、どこまで話したっけ? ってか聞いてる?」
「聞いてる聞いてる」
「とうとう弟にね、彼女ができるんだ」
「あらー」
「お姉ちゃんは弟に根掘り葉掘り聞こうとするけど、弟は答えない」
「うん」
「双子だからって、なんでも話さなきゃいけないの? って」
「……」
「姉は、泣いた」
「……」
「勢いあまって、弟に好きと伝えた」
「……」
「だから、別れてって」
「……」
「無理。弟は言った」
「……」
「姉は、弟がいなければ死ぬと言った」
「……」
「そして後悔すればいいと思った」
「……」
「でも弟は、それでも自分はしあわせになってみせると言った」
「……」
「姉の死を足枷になどしないって」
「……」
「……」
「……で?」
「お姉ちゃんは死にました。弟も死にました。おしまい」
「え」
「どうだった?」
「どうって……」
「実はね、このお話ってクイズになってるんだ。姉と弟はどうして死んだのか。答えられる?」
「とゆうかさ」
「なに?」
「姉ちゃんなに言ってんの」
「……」
「わかったよ。別れるよ」
「うん」
おわり